大館市の地域医療を考える市民フォーラム
地域住民が望む地域医療のあり方とは?
私たち地域住民が行うべきこととは何なのか?
皆さん、ともに考えましょう。
大館市第17回世論調査の結果がこのほどまとまり、今回も市民が最も重要と考える施策は「医療」であることが明らかにされました。
この重要度に対して医療の満足度は27施策中22位と平均を大きく下回る結果に。前回の世論調査も同様の結果(重要度1位、満足度22位)が出ており、多くの市民の医療に対する期待が叶えられていない現状が改めて明らかになりました。
医療に対する重要度と満足度の乖離が続く現状については、さらに市民の意識調査やニーズ分析などの社会調査を実施するなど、満足度を高める施策を実施すべきと考えます。
「大館市の地域医療を考える市民フォーラム」としては、この点について引き続き主張してまいります。
(3月15日付北鹿新聞1面より)
2021年12月にホームページを開設して以来、更新が滞り、大変ご迷惑をおかけいたしました。
報道でご存知の方もいらっしゃると思いますが、活動は佳境を迎えつつあります。
ご報告の第一弾として、10月30日(金)に開催された、「大館市の地域医療と介護を守る」集会のアンケート調査についてご報告いたします。第二弾として11月22日に市長宛てに提出した「病院事業経営強化プラン策定にあたっての要望書」についてご報告する予定です。
本ホームページでは、フォーラムで開催する講演会のご案内とご報告、市民の皆さまからのご意見のご紹介などを行いながら、今後の活動について皆さまとともに考えて参りたいと存じます。
(令和4年12月5日 代表 工藤賢一)
10月30日に開催された、「大館市の地域医療と介護を守る」緊急集会におけるアンケート調査結果を公開します。
下記の画像データが見にくい方は画面をスクロールし、PDFデータをご覧ください。
画像が見にくい方は、下記のPDFデータをご参照ください。
20221030扇田病院を守る会集会アンケート結果 集計.pdf
20221030扇田病院を守る会集会アンケート結果 (市民).pdf
20221030扇田病院を守る会集会アンケート結果 (専門職).pdf
(代表として、「論点整理」と題するお話をさせていただきました。)
以上の内容は10月30日の集会におけるプレゼン資料です。さらに詳しく聞きたい方、当ホームページのお問い合わせフォームにてご連絡ください。
以下の記事は昨年の記事ですのでご注意ください。
大館市議会12月定例会本会議最終日(12月9日)を傍聴しました。
本会議の日程は、委員会に付託されていた報告事件の審議、採決です。厚生常任委員会(日景賢悟委員長)では、7日の総括質疑において「扇田病院の無床診療所化案に関する反体請願」につき、「継続審査」とすることが決定されており、その報告に基づき本会議で採決することになりましたが、採決の前に笹島愛子議員より、「もともとこの『無床診療所化案の反対請願』は、当局案をまず撤回した上で今後のありようについて議論すべき」とした内容であり、継続審議ではなく「採択」とした上で今後のありようについて議論すべき、との反対討論もありました。
採決の結果、継続審査に賛成16票、反対8票(本会議は2名欠席1名欠席で議長は採決には加わらない)で、12月定例会においても「継続審査」となりました。
「反対」の中には、採択すべきと考えた議員、不採択とすべきと考えた議員もおられると思いますが、無記名のため詳細は不明となっています。
市当局では、「介護専門職など幅広く意見を聞きながら合意形成を図りたい」と回答されていますので、引き続き冷静で真摯な議論に期待したいと思います。
なお、採決は電子ボタンを押すことにより賛否を判断し、その結果が瞬時にモニターに掲示される「電子式」。いつの間にか議会もハイテク化されていたのていたのですね。
12月7日(火)、大館市議会12月定例会の厚生常任委員会総括質疑が開催されました。
当初本フォーラムとしても傍聴を申請する予定でしたが、現在議会事務局では「傍聴自粛のお願い」をしている状況にあり、常任委員会の傍聴はできませんでした。
このため、直接の傍聴リポートをお届けすることはできませんが、報道によると、「扇田病院の無床診療所化に反対するよう求める請願」については、9月議会での決定に引き続き「継続審査」となりました。
総括質疑における採決では、「継続審査とすべき」に4名が挙手したとのことです。総括質疑において誰が継続すべきとし、だれが継続すべきでないと表明したかは不明ですが、判明次第賛否の状況が判明すれば、本ホームページ上で公表したいと思います。
総括質疑において市長は「(当局案の)白紙撤回では議論を閉じてしまう。今介護関係者を含め意見を集めており、それが終わらない限り県の地域医療構想調整会議にかけることはない」と述べ、合意形成に努めることを明言しました。また、扇田病院の大本院長も「将来のことを考えた場合、大事なことはいろんな角度から話をすること。市の医療資源は少なく、無床化した場合さらに低下する。数字上の入院・外来患者数だけではなくいろんな機能を持っていることを理解していただき、良い方向につながるよう議論してほしい」と、今後の議論への期待について語りました。また、委員からは、経営戦略会議の議事録を公開するよう要請がありましたが、病院事業の吉原管理者は、「オープンでなければ本音で話ができる。オープンにする前提で話をすれば結論は出なかった」と述べ、現時点での公開を否定しました。
(傍聴できなかったことから、本総括質疑の概要は、複数の新聞報道等を元に構成しました。)
なお、厚生常任委員会の構成メンバーは以下のとおり。(議席番号順)
佐藤久勝議員(令和会)、日景賢悟議員(委員長 令和会)、阿部文男議員(副委員長 令和会)、花岡有一議員(令和会)、田村儀光議員(活性大館)、明石宏康議員(市民の風)、相馬ヱミ子議員(市民の風)
2万筆を超える署名に基づく請願の取り扱いがどうなるのか、12月定例会における議会判断は9日の本会議で行われます。
11月29日(月)、30日(火)の二日間にわたり、大館市議会12月定例会で一般質問が行われ、合わせて14名の市会議員が質問を行いました。
うち,病院事業関連の質問者は半数の7名で、扇田病院の無床診療所化問題に関する質問を行ったのは、6名。この問題について「市民の代表」である市会議員も注目している、ということがよくわかりました。
(市議会本会議場 公式ホームページより)
@阿部文男議員 「扇田病院の無床化問題について」
市長答弁 「当面の問題として、療養病床を必要とする人、介護施設のサービス提供が必要に人に対しては受け皿がある。現在医療機関や居宅介護支援事業所などとも意見交換している。今後は県主催の地域医療構想調整会議で関係者の意見を聞き、医療と介護施設の連携強化に努めたい。
A笹島愛子議員 「扇田病院を存続させてほしい、と署名が2万筆を超えている。どのように受け止めているのか」
市長答弁 「署名は『この地域で安心してくらしてくために必要な医療を残してほしい』という願いがとどけられたものだろう。今後の方向性については、医療と介護現場からの意見を伺うとともに、地域医療構想調整会議で審議いただくなど幅広く意見を伺い課題解決を図りたい」
B佐藤芳忠議員 「危険な状態が続いている扇田病院について、早急に改修すべき。JR大館駅の駅舎と維持費に拠出する11億5千万円があればできるはず」
市長答弁 「一般会計の事業と公営企業会計の病院事業を表面上の額面だけで論ずるのは適当でない。一時医療を担う扇田病院と二次医療を担う総合病院との機能分化を進め、介護施設との連携強化を図ることこそが、地域医療存続に不可欠」
C相馬ヱミ子議員 「無床化反対の意見を真摯に受け止め、まずは白紙撤回を。仕切り直しをした上で、『医療のまち』をPRして定住促進を図るべき」
市長答弁 「医療と介護の連携で住み慣れた地域で暮らし続けるためには、地域包括ケアの実現が不可欠。そのためにはまず比内地域に医療機関を残すことと医療・介護が連携していくことが最重要と考えた。これについては県医師会の小玉会長とも意見交換しており、『政争の具にはしないことが肝要』とのご意見も頂いている」
相馬議員再質問 「外部のコンサルや市民・有識者の意見も聞かず、経営戦略会議の検討だけで結論を出したのは拙速では。パンデミックを想定しても扇田病院の役割は大事である」
吉原管理者 「経営戦略会議では、ベッド数や病床の種類等いろいろな組み合わせでシミュレーションし、結論として比内地域に医療機関としての機能を残すため、無床診療所化を提案したもの。その際に重要なのは介護との連携。介護医療院等でカバーできない人工呼吸器を使用するような療養患者は数としては2,3人しかいない。しかも総合病院ではすでに介護を必要する患者もすでに対応しており、十分対応が可能と考えた」
D吉原正議員 「扇田病院の無床診療所化案はあくまでひとつの方向性として打ち出したものでじっくり合意形成をはかりたいとの考えに変わりはないか」
市長答弁 「変わりはない。これからは、医療と介護をわけて考え、高齢者が住み慣れた地域でくらすたの地域包括ケアシステムのあり方を幅広く議論しなければならない」
吉原議員再質問 「今は、機能分化と連携を行わなければ診療報酬上も効果がでない仕組みになっている。城西大学の伊関教授の講演によると、扇田病院が無床化して総合病院で療養期の患者を受け入れることにより、総合病院の急性期機能の低下を招かないか、それば医療崩壊の端緒とならないか、それが懸念される」
吉原管理者答弁 「総合病院では今でもすでに介護度の高い患者を受け入れている。大館はすでに超高齢社会という観点では日本でも最先端であり、急性期も介護依存度の高い患者を診なければならない。伊関教授のことは私もよく存じあげているが、その点ご理解されていないのではないか」
E小棚木議員 「扇田病院の将来計画に拙速感がある。経営改善に関する異論がまだまだ不足していたのではないか」
吉原管理者 「現場の職員は最善を尽くし頑張っているが、職員給与比率と委託費の比率が高い現状にある。経営戦略会議では病棟維持についても様々なパターンについて検討を重ねた。改修、建設に要する初期投資、将来負担、医師確保の見通し、人口減少などを踏まえたものである」
一般質問の持ち時間はひとり40分。扇田病院に関する質問を行う議員の皆さんは、その持ち時間を目いっぱい使い、どうすれば大館における地域医療を維持・向上させることができるのか、その必死さが伝わる議論であったと感じました。
12月7日(火)には厚生常任委員会総括質疑が行われる予定です。
11月27日(土)城西大学教授伊関友伸先生、丹波新聞記者足立智和先生をお招きして、「第2回地域医療を考える市民フォーラム」を開催いたしました。
悪天候の中、100名を超える(午後2時の部85名、午後6時の部35名)多くの市民の皆さまにご参加いただくことができました。厚く御礼申し上げます。
はじめに、行政マネジメントがご専門で、地域医療再生研究の第一人者としてもご高名な城西大学伊関友伸教授よりご講演いただきました。現在は総務省の「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化に関する検討会」の委員にとしてもご活躍されており、日夜地域医療の再生にご尽力されています。伊関先生からは、「地域の医療を守るという観点で純粋に研究者として分析してみると、@客観的データと診療報酬の動向、A総務省の公立病院に対する交付性税措置拡充の状況、Bコロナ下における自治体病院の奮闘などから、扇田病院の無床診療所化を強行することは地域にとってはマイナスしかない。また高度急性期の機能を目指す総合病院とは、療養病床を持ち急性期後の療養を担う扇田病院との連携が今後益々重要となり、スムーズに連携することにより共に経営上の効果も高まる」と地方財政と地域医療の専門家としての見解をお聞きすることができました。
そして、「何より怖いのは、扇田病院が無床化され、総合病院が高度急性期から急性期、回復期、療養期の患者を受け入れざるを得なくなることにより、医師が疲弊し、地域の『医師離れ』を招くこと。これが何より恐ろしい。医療機関と医師は『地域の宝』。その気持ちを忘れた自治体は医療崩壊を招いている。そして、一度医療崩壊した地域を回復させることは極めて難しい」との意見を述べられました。
しかし、「医療崩壊を防ぎ再生することは決して不可能なことではない。そのためには『医療者は敵ではない。地域住民が医療者に対し敬意と尊敬の念を持こと、人任せにせず住民が不足する医療者の立場にたって考え行動すること」が重要で、そのような取り組みを地域住民と医療者が一体となって推し進めることで再生を果たすことがが可能である。と、私たちの今後の活動にエールをいただきました。
また、丹波新聞の記者で自称「医療崩壊ウオッチャー」として、全国の医療崩壊、地域医療再生の事例を取材、研究されている足立智和先生からは、地元兵庫県丹波市で2004年度から始まった病院統合とその後の「大学医局員引き上げに始まる医療崩壊から再生までの歴史」につき報告いただきました。この事例では、小児科医師がいなくなることに危機感を抱いた母親の自然発生的な集まりである「県立柏原病院の小児科を守る会」が起点となり、「丹波医療再生ネットワーク」や「たんば医療ささえ隊」など市民総がかりで医療を守る活動を展開し、「医師ら医療関係者にとってあたたかい地域になろう」という思いが根付き、県立柏原病院は研修医が多く集まる病院に生まれかったということです。
しかし、全国には医療崩壊したのち、再生が難しい状況にある多くの事例があり、そのために医療難民としとて入院・通院が困難となっている住民が多くおり、特にコロナ下においてそれが加速しているとの現状が報告されました。
二人のご講演の後、工藤の司会のもとパネルディスカッションを行いました。フロアから扇田会場、中央公民館会場ともに多くの意見をいただき、すべて記載することはできませんが、「講演をお聞きすれば無床化がいかに危険か、そして病院機能があることで医療崩壊を防ぐことができることがとても良く理解できた」、「このような重大な決定を市のわずか9名の『戦略会議で決められたことが驚き』普通はコンサルなどいれるのではないだろうか」、「米内沢病院廃院、町立阿仁病院の廃院もみてきたが、解雇された医療者は本当に辛い。コロナ下で多くの医療者が元々厳しい労働環境の中さらに辛い思いをして勤務している。そのような辛い思いに寄り添わず、あっさりと『無床診療所化』を決めたその手法に怒りを覚える」など多くの意見が寄せられました。
伊関教授からは、「私は我が国で地方行財政と地域医療再生を専門に研究している数少ない研究者のうちのひとり。無床診療所化しないで再生可能であることはもちろんだが、それ以上に、コンサルにも出さず、組織内で幅広い議論もせず、前年まで『存続させる』という説明をしていたにもかかわらず、多くの地域住民に信頼され実績もある病院をあっさりと『無床診療所化する』と決めたその手法があまりにも情けなく、哀しい」と涙に声を詰まらせながら、お話しくださいました。
伊関教授の奥様は鹿角市の出身。里帰り出産は扇田病院とのことです。その当時の懐かしい思い出を振り返り、しかし、今無床化が強行されようとしている状況に怒り、辛さ、悲しみが込み上げたもの、とフォーラム終了後に工藤に語ってくれました。
当フォーラムでは当面以下のとおり活動を進めてまいります。
令和3年12月
・フォーラム運営規約等の策定 →「現在作業中」
・行動計画の作成 →「現在作業中」
・大館市議会報告 →大館市市議会12月定例会における審議の状況をお伝えします(順次公開!)
令和4年1月
・第3回市民フォーラム 「市民によるパネルディスカッション」(日時、開催方法等は後日ご案内)
・医療・介護・福祉専門職による「多職種連携講座」(日時、開催方法等は後日ご案内)
扇田病院の無床診療所化(案)に関する地域住民向け緊急アンケートを実施します。(終了しました)
大館市が6月議会で提案した「扇田病院の無床診療所化(案)」については、「無床診療所化に反対し、撤回を求める請願」署名が2万筆を超えるなど、半年を経過する今でも大館市民、周辺地域住民の皆さまに注目されています。
この問題に関しては、多くの反対意見と同時に、「これは旧比内町の問題では?」と考える方や、「連携を強化すれば大丈夫」と考える方のご意見もお聞きしています。
そこで、可能な限り多くの皆さまの率直な意見を集約すべく、「Google Forms」を利用したアンケート調査を実施することになりました。
アンケートは、Googleが利用できる環境であれば、パソコン、スマートフォンから参加できます。5分程度で入力することができますので、皆さま奮ってご参加ください。
【 第1回 扇田病院無床診療所化(案)に関するアンケート 】
期日 令和3年12月25日〜令和4年1月8日
結果発表 令和4年1月15日
参加ルール
@ひとり1回の参加に限定(1アドレス1回のみアクセス可)。
A対象は本アンケートに参加頂ける方全て(大館市以外の方も可)
B参加に際し、アドレスと名前(仮名・ハンドルネーム)の入力が必須です。
C集計結果はGoogle Forms画面にアクセスすると自動的に公開されます。
D集計結果の公表に際しアドレスは非公開ですが、名前は公開されますので、本名ではなく自分で識別できる仮名、ハンドルネーム等での入力をお勧めします。(本名参加を否定するものではありません)
Dアンケートの終了後、集計結果をホームページに掲載します。
Eホームページ掲載時、自由記載の内容紹介にあたっては、同様意見を省略することがあります。
F特定の団体、個人に対する誹謗・中傷はしないでください。
※ このアンケートに関するご意見は、当ホームページのご意見フォームでお寄せください。